ラサ工業の事業
直接目に触れる機会が少ないラサ工業の製品。
実は、私たちの暮らしに不可欠なものに使用されています。
ラサ工業の製品は半導体製造工程において活躍しています。
製品を見る前に、そもそも半導体とはどのようなものなのかをわかりやすくご説明します。
半導体とは?
半導体とは、電気を通しやすい性質(通称:導体)と電気を通しにくい性質(通称:絶縁体)の両方の性質をあわせ持つ物質のことです。この2つの性質により、電気の流れを調整することができるため、電源・電池で動くものに欠かせない部品となっています。
半導体ができるまで
このように、重要な役割を果たしている半導体ですが、その製造工程は大きく「前工程」と「後工程」に分かれています。
そのうち、ラサ工業の製品は「前工程」で活用されています。
前工程では、ウェハーと呼ばれる金属板を加工して、半導体チップ(細かい回路の集まり)を作成します。
前工程の製造工程
始めに
ウェハー製造
ウェハーとは円盤状の基板のことです。シリコンやガリウムヒ素などを原料に棒状のもの(インゴット)を作り、その後、円板状にカットします。
次に
以下の工程を組み合わせて、いくつもの薄い膜をウェハーの上に重ねていきます。
そして、それぞれの膜に設計したパターン(細かい模様)を形成します。
これらは、電気の通り道を決める重要な役割を果たします。
洗浄
回路の品質を保つため、薬液でウェハーをきれいにします。
成膜形成
ウェハー上にデバイスの絶縁素材となる酸化膜や窒化膜を形成します。
フォトレジスト塗布
ウェハーにフォトレジスト(光に抵抗する特殊な樹脂)を垂らし、ウェハー全体になじませるために機械で高速回転させます。
成膜(絶縁体)を必要とする箇所において、後の「エッチング」工程で除去されないよう保護する役割を果たします。
露光
回路パターンが書かれたマスクをウェハーに合わせて配置し、装置で紫外線をあてます。
マスクのない箇所のみに紫外線があたり、これによってウェハーに電気回路が転写されます。
現像
現像液をウェハーに塗布し、「露光」工程で紫外線が当てられた箇所のフォトレジストを除去します。これにより、紫外線が当てられた箇所は「成膜形成」工程で形成した成膜が露出した状態になります。
エッチング
フォトレジストや非侵食膜をマスクとしてガスや薬品を使い、化学反応による腐食作用を起こし、不要部を除去して半導体の回路を形成します。
フォトレジスト除去
薬液にウェハーを浸し、「露光」工程で露光されていない箇所のフォトレジストを除去します。これにより、「成膜形成」工程の成膜がむき出しになり、絶縁体の部分となります。ここまでの工程で、半導体の基礎部分が完成です。
ドーピング
ウェハーにホウ素やリンなど特定の不純物(ウェハーの原料と異なる物質)を注入します。これにより、電気伝導率が高くなり、電子機器に搭載できる性能になります。
平坦化
品質の安定化のためにシリコンウェハー表面を平らにします。
電極形成
ウェハーの表面に金属膜を形成します。
最後に
検査
ウェハーに問題がないか電気特性検査をします。
後工程へ
後工程では、ウェハーを切断してチップにした後、パッケージングなどを行います。
化合物半導体とは?
電子材料事業部が製造している赤リン・ガリウム・インジウムは化合物半導体の原料です。長年、半導体はシリコンなど単一の原子を原料に製造することが主流でした(シリコン半導体)。しかし、近年、シリコンなどでは実現できなかった機能の実現やエネルギー効率の向上に大きく貢献するとして、複数の原子を組み合わせた素材を原料に半導体を製造する事例が増えてきています(化合物半導体)。
私たちの暮らしを豊かにする5G、自動運転技術などの普及に、化合物半導体は欠かせない存在となっています。