電子材料事業部

電子材料部門は、ガリウム、リン、インジウム等の化合物半導体用の高純度無機素材の生産、販売をおこなっています。化合物半導体は、近年集積回路や表示素子など私たちの生活に深くかかわる分野で伸展しており、ラサ工業は、これらの化合物半導体用の高純度無機素材を安定供給できる数少ないメーカーとしての責任をこれからも果たしていきます。
また、化合物半導体の製造工程から発生する工程スクラップからの金属リサイクルについて積極的に行なっています。
リサイクル機器の開発と省エネルギーへ貢献する最先端技術。
ラサ工業のレアメタルの開発・生産の歴史は、昭和44年(1969年)の高純度燐の開発にルーツを辿ることができます。創業以来1世紀近くに亘り手がけた燐製品を、当時開発途上であったガリウム燐・インジウム燐の基板向け原材料として、燐の高純度化に着手したのが始まりとなります。

また、昭和52年(1977年)からは製錬部門において、インジウムの回収・生産を行ってきました。これらの知見をベースに、昭和57年(1982年)より、ガリウムを、続いて昭和62年(1987年)にはインジウムの製造を開始しました。
ガリウムやインジウムは、生活には欠かせなくなったスマートフォンに用いられるパワー半導体素子、省エネルギーの見地から着目され、市場が拡大しているLED照明の発光体部分に用いられているほか、高速・大容量を可能にした光通信用ケーブルなど通信インフラ整備にも欠かせない素材として位置づけられています。

ガリウムやインジウムを素材とした素子は、シリコン素子と比べ約5倍の高速化が実現できるとされ、製品の小型化・高機能化に寄与しています。
近年では、太陽光発電分野のエネルギー変換の高効率化の一翼も担う物質として注目されています。当社製品の特徴としては、ガリウム、インジウムともに、99.9999%(6N)以上の世界最高水準の製品をラインアップしています。
また、資源の大切さを認識し、何れの原料にもリサイクル原料を多く用いています。これらの製品の生産は、電子材料事業部の宮古工場(岩手県)と、三本木工場(宮城県)が担っており、全世界へ製品の供給を行っています。今後も生産効率の向上や、顧客への安定供給、周辺製品への進出に努めていきます。